ソニーCSL | Sony CSLの研究概念の構成要素を7つのプリミティブなエレメントで表現しました。Energy, Wave, Time, Life, Language, Intelligence, Binary。これらそれぞれをシンプルな形状へ象徴化し、全体をデザインする上でのコアの要素としています。
それぞれの個が紡ぐアイデンティティ
ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は卓越した個人研究員の集合体です。それはソニーCSLの研究員ひとりひとりが自身の課題認識のもと目標を立てて研究を遂行し、その成果がすべて研究者個人の名において発表されることに基づいています。ソニーCSLはそのような創造者(クリエイター)を擁する研究所として自らを位置付け、それぞれのオーサーシップを大切にしています。またこのスタンスは、2025年現在のソニーグループ全体の存在意義「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。」にも繋がるものです。
このソニーCSLは、設立から長らく独自の企業ロゴを有さず、「SONY」のもと活動してきました。初の専用ロゴ(社標)が誕生したのは2017年です。このロゴは、研究概念の構成要素を象徴する7つのプリミティブなエレメントを組み合わせたデザインで、それぞれが重なり、つながることで無数のパターンを紡ぎ出し、未来に広がるサイエンス領域の展望を象徴しています。
新たなロゴの誕生により、研究員は学会発表資料等対外活動で所属を明示できるようになり、ソニーCSLの組織としての存在感がより明確になりました。さらに、個々の研究員を支えるだけでなく、ソニーCSLそのものが法人としてのアイデンティティを持ち、対外的なプレゼンスを高める役割を担うようになりました。
この背景には、ソニーCSL代表・北野による“Global Influence Projection”という行動指針があります。この行動指針は、研究員が研究成果を発表するだけでなく、自ら社会的インパクトを生み出して、直接的に世の中を変えていこうとする動きにつながっています。
そして、新しい組織形態で進化への模索も推進しています。2019年にはソニーCSL-京都、2022年にはソニーCSL-ローマが設立され、それぞれ独立性、地域制をもった研究活動を展開してきました。また2023年には東京のリサーチラボも「東京リサーチ」と「トランスバウンダリーリサーチ」に分割し、特に後者は場所にとらわれない新たな研究スタイルで展開しています。
このソニーCSLは、全体が目標とした価値に向かって進む企業型の組織ではありません。ムーンショット型の研究者もいれば、独自の視点で探索を続け、その過程で成果を生み出す研究者もいます。そして、それらの研究が最終的にどのような価値を持つかは、未来の歴史が評価するものとなるでしょう。