「創造性」について、人は雄弁に語りますが,私はそのプロセスは至ってシンプルであると考えています。私にとって創造的であることとは、新しいものを考え出すことができる能力とその新しいものに価値があるかどうかを評価できる能力という二つのスキルから成り立っています。最初の「新しいものを考え出す」部分は簡単で、常に自然に起こりうるプロセスです。私たちはただ存在して、周りの世界に反応するだけで、この能力を発揮していることになります。私たち個人はそれぞれユニークな存在であり、私たちの生き方は新しいものです。新たなアイディアを考え出すことはこの状況の延長上にあります。過去の経験、知識、直感の組み合わせにより、誰でも自分の環境に適応できるようになります。未知の課題に直面しても、本当に進め方が分からないことはありません。考えていることが正しい方法かどうかは分からないかもしれませんが、確かにアイディアそのものは持っています。難しいのは、自分のアイディアを評価する方法、つまり、価値あるアイディアに焦点を当てるために無価値なアイディアに時間を費やさないようにすることです。
この「創造性」を捉える上での枠組みは,私にとって興味深い点をいくつか示唆してくれます。まず、創造的なプロセスから幻想的(神の領域的)な要素を取り除いてくれます(インスピレーションという要素はあるかもしれませんが,それは「創造性」の別の側面なので今回は触れません)。そして、創造性を向上させるためにフォーカスすべき課題を二つに絞ってくれます。すなわち、新しいアイディアを考える能力が向上すれば、また,自分のアイディアを適切に評価する方法を身につければ、より創造的になることができるということ。そうすることによって,創造性を向上させるという課題は一気に取り組みやすくなるのです。
私はこれらの課題に対処する方法の研究に取り組んでいます。技術はどのようにして人々がより創造的になることを助けることができるのでしょうか?技術はこれら2つの課題への解決策を提供できるのでしょうか?技術を使って創造性を向上させることはできるのでしょうか?
新しいアイディアを考えること
まずはじめに,特定の課題に対して如何に新しいアイディアにたどり着くことができるかを考えてみましょう。このチャレンジに対する私の答えは,生成システムを設計することです。カスタムデザインのソフトウェア(ハードウェアであることもあります)でその利用者が意味のある方法で可能な出力の領域を探索できるようにします。言い換えれば,アルゴリズムの潜在空間が説明可能であり,探索可能なものであるということです。ランダム性と組み合わせることで,その空間のすべての新しい点(つまり,アルゴリズム出力のすべて)は新しいものに近づけることができます。このようなシステムを設計する、ということは容易な作業ではなく,常にその方法が明らかなわけでもありません。しかし、このような新しいアイディアを提供する優れたシステムを検討する、ということは、新しいアイディアそのものを検討することとは明確に異なります。新たなアウトプットを生み出すジェネレーティブ・システムを作るための評価機能は、新たなアウトプットを生み出す評価機能と同じものを見ているわけではないのです。この自由度の追加は、このアプローチの鍵であり、目の前の問題に別の角度から取り組むことができるようになります。
一旦生成システムが完成すると,出力可能なセット探索することは、(後から)非常に低い労力で絶え間なく新しいアイディアが刺激される流れとなります。例えば、陶芸のシミュレーターを想像してみましょう。このシミュレーターはろくろで作ることができる形状に直接マッピングされた様々な生成パターンを提案します。アルゴリズムによって提案されたパターンの見た目をいくつかのパラメーターを変更してアイディアを興味のある方向に導くことは簡単で、これを確認するために実際に器を焼く必要はないのです。スケッチやプロトタイプ作成に費やされる時間を大幅に節約することができます。時間の大部分はマスターアルゴリズムの設計に費やされます。
マスターアルゴリズムの目標は選択肢を提供することであり,「良い」とされるものを選ぶことや「悪い」とされるものを回避することではありません。ユーザーが探索するために意味あるパラメーターセットから幅広い可能な出力を示すことが狙いであり,アルゴリズムが決定するためではありません。厳選ではなく,広がりと変化に焦点を当てます。
新しいアイディア評価すること
次にどのアイディアが良いか、どのアイディアが悪いか、そして最も重要なのはどのアイディアが追求する価値があるか選ぶ、という大きな課題が浮上します(良いアイディアでもコストや実用性など、芸術的な魅力とは無関係な理由で追及する価値がないこともあります―文脈が重要です)。これは物事が正しいか、間違っているか、また面白いかを感じることができるということです。広範な創造的活動を扱うために、どの領域や応用にもうまく適用できる共通の良さの尺度を確立する方法はありません。私たちはセンス、つまり、アイディアにコミットするためのクリエイター自身の個人の判断に頼る必要があります。
私はさらに進んで、「センス」は一人の人間が持つことのできる最も価値のあるスキルであると考えています。自分自身で選択する能力と、それに自信を持つことができる能力です。インフルエンサーに従ったり、外部からの承認に頼ったりすることではありません。ただ自分の、これはいいものだ,正しい、と感じる直感を信じることです。
残念ながら、これは簡単に他人から学べることではありません。その分野での用語や、その領域で共有されている文化的言語を学ぶことはできたとしても、センスそのものは学ぶことはできないのです。私たちは他者から「味覚」を学ぶことはできません。できることは自分の質的評価プロセスを鍛えることのみなのです。これはコーチや、自分の直感が正しいか確認できる答えがあるわけでもない中で、繰り返し自分に問うことで鍛えるほかないのです。
改めて、生成システムはあなたのセンスを鍛えるために非常に実用的なプラットフォームを提供します。新しいアイディアの生成が自動化され、評価対象となる無数のアイディアを、時間という観点で非常に効率的に提示することができるのです。そしてそれらを良い/悪い、正しい/間違っている、価値がある/無価値なもの、と分類することは、あなたの評価する“力”を鍛える方法になります。
人が作った知能
今まで述べてきたプロセスは、機械学習においてどのようにして極めて優れた説得力のある画像などが生成されるのかに非常に近いもので、プロセスを二つの側面に分けることが重要です。一つは新しい出力を生成することであり、もう一つはその出力を評価することです。機械に画像を生成させる場合は出力側を訓練し、評価側が本物の画像と区別できないほどの画像を生成できるまでプロセスを繰り返します。つまり、新しいアイディアを生み出し、それらを評価するのです。
同様に、センスを鍛えることは教師なし学習(もし正しいという内在的な感覚を報酬と考えるならば強化学習かもしれません)に近く、データセットの中から意味や構造を見つけ出すプロセスに似ています。
人のための生成システム
ここでの重要な違いの一つとして私が主張するのは、個人のセンスは最も価値のあるスキルであるということです。これはあなたが欲しい結果のために一連のプロセスを導くことができるといった創造の方向性となります。そのためにシステムは説明可能で、制御可能で探索可能でなければなりません。望む結果を得るために道具を上手く使えないとき、道具を創造的に制御できていないということになります。道具を使って作業をしているのではなく、道具と協力しているのです。そして,それ自体にも方向性があります。
私が提案する生成システムはボトムアップのアプローチです。まず,ユーザーにとって馴染みのあるものから始め,ユーザーが生成のロジックとプロセスを理解できるようにします。システムが進化するにつれて,より高度な状態に進みますが,それでもこの生成ロジック・プロセスを説明可能な状態を保ちます。これにより,ユーザーはシステムを完全に制御することができ,プロセスすべての側面と強いつながりを持ち続けることができます。その結果,ユーザーは自分自身の好みにあった創造的な選択を行うことができます。
つまり,私は自身の「センス」を手掛かりとするアーティストの創造的な視野を広げるための生成システムを作ろうとしています。アーティスト自身では想像できないようなアイディアを提供しつつ、も、提供されたアイディアはアーティストの馴染みのある文脈とスケールに則ったもの、つまり,彼らの技法,スタイル,美的感覚に沿ったものになるのです。
伝統はかつて新しかった
伝統的な芸術や工芸の文脈では、生成システムを使って作品を創造するというアイディアは少し不自然に感じるかもしれませんが、私はそれが芸術的な本質と競合することなく、実践の場面を補完すると考えています。技術は常に、道具の進化、新しい化学物質の導入、生産技術、材料などから、あらゆる芸術的なメディアの進化の原動力となってきました。あらゆる伝統的な方法はかつて新しいものであり、私たちはそれらを伝統と見なすのは、それが標準となり、時間が経過した後になります。生成システムは将来、当たり前になり、創造において普通の考え方となるかもしれません。今の技術で未来の伝統を創造するのです。
私たちはまだそこには到達していませんが,それでも今から始めることができます。
ユニークアセットの大量生産
生成システムの他の使い道
コンテンツに価値を付加する方法について,生成システムを使った異なるアプローチ方法もあります。
先ほど説明した生成システムについて考えてみましょう。それはアイディア,アルゴリズム、パラメータの集合体であり、その出力を主観的な方法で評価しようとしません。システムは意味あるすべてのパラメータを見せて、ユーザーがアルゴリズムの空間を自由に探索し、想像力を刺激したり感情を引き起こしたりする組み合わせを見つけることができるようにします。ただし,システムはユーザーに代わって何が良いか悪いかを決定しようとはしません。
しかしこれは、明らかに克服すべきもう一つの課題です。良い出力のみが際立つように調整された生成システムが、その出力のキュレーションも行うように調整されています。ランダムな入力を受けて、少なくとも悪くないものに形を整えることが保証されています(多くの悪い出力を犠牲にして特別な結果を得るよりも、ある程度の良いものや素晴らしいものであることが重要であるという点において、私はここが限界点であると考えています)。このシステムは生成プロセスを使用してユニークアセットの集合を作ることができるようになり、さらにプロセスは完全に自動化されています。
これにより、ユニークなアイテムの大量生産の概念が注目を集めています。カスタムアーティファクトの製造が手ごろになると、ボトルネックは生産側ではなく、プロセスの創造側にあります。1000個のユニークなアイテムを作るためには、1000個のユニークなデザイン、パターン、アイディアが必要です。生成プロセスは1000個のユニークなアイディアを提供できます。共通の美学やスタイルを共有する作品群であり、それぞれの結果は異なり、ユニークです。
創造の方向性の生成
生成システムを作る際のそもそもの創造の方向性やその意味が問われることになります。私は創造の方向性がこれまで以上に重要になると考えています。なぜならそれはメタレベルで機能する必要があるからです。これは2つの異なる出力の間における選好問題ではなく,出力可能な全体の部分空間に関わるものです。特定のアルゴリズムのブランチで起こる可能性のある無限の結果と別のサブブランチとの間で比較することです。また,一つの変更がプロセス全体の経過にどのような影響を与えるのかを考えることも重要です。
確かにこの課題は異なります,そして,すべての創造的な問題と同様に,明確なはい・いいえの答えはありません。これは好みと,生成システムのデザインプロセスでどのように表現されるのかにかかっています。もう一つの創造的な表現の層ですが,基本的な目標は同じで,選択肢が重要であることを確認することです。
膨大な組み合わせ
非常に具体的な例を見てみましょう。すでにユニークなコンテンツが提供されており,生成的なアプローチがさらなるレベルに引き上げる可能性のある分野で,ジュエリー,具体的には結婚指輪です。すでにプロセスは,婚約中のカップルにユニークな指輪を提供するために効率化されています。石の選択,素材,デザイン(既存のカタログから),刻印などは顧客が自分たちの指輪がユニークであり,彼らの関係性の物理的な証明(ブランドが言うことを信じるなら)であると感じさせることができます。すでに結婚指輪はオーダーメイドでも製作させているため,生成的なプロセスの追加レイヤーを指輪のデザインにおいてユニークさを加えるための簡単な手段として,これらのアイディアを適用することは大切です。デザインが単なる選択肢の集まりではなく,出力可能なの全体の空間の一部とすることで,カスタマイズをプロセスの一部として組み込むことが重要です。
個々の表現
現代では,AIシステムは訓練データに対する多くの批判の対象となり,その出力の実際の価値は何であるかと問われています。この状況の中で,複雑なシステムが大部分の創造の労力を引き受ける場合,創造するということはどのようなことなのでしょうか?私たちは再び,創造の一側面に焦点を当てており,何を伝えたいのかという点を重視し,“どのように”という側面は少なくなります。生成AIシステムが過去の技法やアイディアを再構築して,既存のデータの間を探索する場合,新しい方向に空間を拡張することが難しくなります。自分自身の声を見つけることが難しくなり,これが創造における“どのように”になるのです。
一方で,実際に創造的なアイディアを具体化するために必要なスキル(描く,塗る,彫る)を持たない人々も,抽象的な創造プロセスを通して自己表現したい場合,システムを利用して欲しいアイディアを見つけることができることを意味します。アイディアを具体化する能力はクリエイターとしての最初のステップであり,道具はすべての人にとって重要ではないのかもしれません。
生成システムにより、創造的なプロセスの評価を訓練することによって,最終的には個人のセンスの開発にもつながります 。すなわち、だれにでもできる「選ぶ」という行為が、他者や流行に左右されない「自分自身」という個人のセンスに基づいた意味のある決定となるのです。
コモディティとしての創造性
創造性を誰もが学び,探求できるスキルである場合,人は何を作るのでしょうか?人は自身のセンスや独自のスタイルを重要視するのでしょうか?人はどのような手段を使って自己表現するのでしょうか?
私たちは最終的に、すべてのもの(物理的なグッズからバーチャルアイテムまで)が個人のために作られ、誰もがその中に自分自身らしさを見つけることができるような状況-すべてのものが、すべての存在の独自性を反映するような世界に行き着くかもしれません。ここで、生成システムを使うことで、(アルゴリズムの設計におけるメタレベルで)共通の特徴を共有することもできるのです。これにより、「似ているが、同時にユニークである」状況を作ることができます。
それが私の築こうとしている世界です。多くの人々が創造の喜びを共有し,多くの人々が自身の創作を共有する世界です。
There is a lot of romance that surrounds the notion of creativity, yet I argue that the process is simple. For me, being creative is the combination of two skills: being able to come up with something new then being able to evaluate if that new thing is worth something. The first part of the problem is easy, this is a natural process that happens all the time. By just existing and reacting to the world around us, we already approach a similar activity. Our way of living is new, as it is by definition unique to each individual. Coming up with new ideas is an extension of this situation. A combination of past experience, knowledge and intuition allows anyone to react to their environment. When faced with an unknown task, you are never truly clueless on how to proceed. You might not know if what you are thinking about is the right way to do things, but you surely have ideas. The difficult part is indeed how to evaluate your ideas, that is, not spending time on ideas that are meritless to focus on the ones that are promising.
This framework around creativity is interesting to me for a few different reasons. First it takes the fantasy aspect out of the creative process (you might be inspired, but that is another aspect I am not covering here) then it gives two sub-tasks to focus on in order to improve our creativity. How can we get better at being creative? If we are better with coming up with new ideas, then we are more creative. If we have a better understanding of how to evaluate our ideas, we are more creative. Suddenly the task of improving one's creativity is less daunting.
My work recently has been researching ways to help with this challenge: how can technology help people become more creative? Can technology provide solutions that targets those two specific tasks? Can we use technology to get better at being creative?
Coming up with new ideas
The first half of our challenge is now to come up with new ideas for a specific challenge. My answer to this is to design generative systems: custom designed pieces of software (mostly, but it can be hardware) that allow their users to explore the space of possible outputs in a meaningful way. In other words, where the latent space of the algorithm is explainable and explorable. Combined with randomness, we are close to a state where every new point in that space (that is, every output of the algorithm) is new. Designing such generative systems is not an easy task nor always obvious, but there is a difference in how we can evaluate the result: a great system that generates new outputs is different from just thinking about new outputs. The evaluation function for creating a generative system that creates new outputs is not looking at the same things as the evaluation function of creating new outputs. This added layer of freedom is key to this approach and provides another angle to tackle the problem at hand.
Once the generative system is in place, exploring the set of possible outputs becomes a constant flux of new ideas that are there to stimulate, at a very low cost in terms of labor (a posteriori). Imagine for example a pottery simulator that proposes various generative patterns mapped directly to shapes that can be turned on a potter's wheel. There is no need to physically bake the pieces to get a feel for how the patterns suggested by the algorithm look like yet at the same time it is straightforward to modify a few parameters to guide the idea towards someone's interest. Massive saving in time spent sketching or prototyping - the bulk of the time is spent in the design of the master algorithm.
The goal of the master algorithm is to offer options and to not select what might be "good" or avoid the "bad". The target is to show a wide range of possible outputs from a set of meaningful parameters, for the user to explore, not for the algorithm to decide. Focus on the breadth and variation rather on curation.
Evaluating new ideas
The big issue is then to choose which ideas are good, which ideas are bad and most importantly, which ideas are worth pursuing (a good idea might not be worth it for reasons unrelated to its artistic or creative appeal, like costs, practical concerns - context matters). This means being able to feel when things are right, wrong or interesting. As we are dealing with a broad sense of creative activities, there is no way to establish a common measure of greatness that would work fine for any domain and application. We need to rely on taste, that is, the personal decision of the creator to commit to an idea.
I will even go further and argue that taste is the most valuable skill that one person can possess. The ability to decide and to feel confident in your own choices. Not following influencers, not relying on external validation. Just trusting your instinct that this specific idea, this specific outcome is a good one, that it feels right.
Sadly, this is not something you can easily learn from other people. You can learn the tropes of the field, the shared cultural language of the domain at hand - knowing the rules to break them is a common saying. But you cannot really learn *taste* from other people. What you can do though, is *train* your qualitative evaluation process. There is no supervision, no perfect answer to compare your instincts to, but you can train your taste by just exercising it many times.
There again, generative systems provide a very practical platform to train your taste. As the generation of new ideas is becoming automatic or extremely efficient in terms of time spent, there is a abundance of ideas that need to be evaluated, to be categorized into good/bad, right/wrong, with potential/useless. A way to train your evaluation muscle.
Human Engineered Intelligence
This process is actually very close to how machine learning techniques got extremely good at creating convincing pictures and more: splitting the process into two sides. One that generates new outputs and one that evaluates those outputs. To train a machine to generate pictures, run the process until the generator side is able to come up with pictures that the evaluator cannot distinguish from real pictures. Come up with new ideas; evaluate those ideas.
Similarly, training your taste is close to unsupervised learning (maybe reinforcement learning if we consider the reward to be this innate feeling of getting it right), with finding meaning or structure in a set of data.
Generative Systems for Humans
One of the key differences here is that I argue that the most valuable skill is the personal taste. This translates to creative direction when you can guide the process towards your preferred outcomes. As such, the systems should be able to stay explainable, controllable and explorable. If you cannot work the tool to get to your desired output, you are not in creative control: you are not working with the tool, you are collaborating with it - and it has its own direction as well.
The generative systems I am offering are created within this bottom-up approach: start from something that is familiar to the user, where they understand the logic, the process behind the generation before expanding to some more advanced state that might overcome the capabilities of the human brain while still being explainable (a posteriori). Allowing the user to control exactly what is happening and as such, to stay connected with all that matters: taking the right (according to their own taste) creative choices.
In other words, I'm creating generative systems that widen the creative horizon of the creators and artists who trust their taste. Ideas beyond what they could imagine on their own, but in a familiar context and scale: following their technique, style and sense of aesthetics.
Traditions were once new
This idea of working with a generative system to create might sound off in the context of traditional art and craft, yet I argue that it complements the practice in a way that does not compete with its artistic nature. Technology - from the evolution of tools, the introduction of new chemicals, production techniques, materials - has always been a driving force for the evolution of any artistic medium. Any traditional way of doing things was once new, we only look at them as traditions once they become standards and time passed. Generative systems might be oblivious in the future, and the usual way of thinking about creation. Creating the traditions of tomorrow with the technology of today.
We are not there yet, but we might as well start.
Mass production of unique assets
The other use of generative systems
There is another way to work with generative systems that presents a different approach on how to add value to content.
Let us consider the generative system described above. It is a collection of ideas, algorithms and parameters that does not attempt to evaluate their output in any subjective way. It tries to keep all meaningful parameter exposed so that the user is free to explore the space of the algorithm, looking for combinations that trigger the imagination or provoke any feeling. It does not however try to decide for the user what is good or not.
Yet this is obviously another challenge to master. A generative system that is tuned to also perform curation of its outputs, only allowing the good outputs to shine through. Taking random input and shaping it into something that is guaranteed to be at least not bad (I would argue that this is where to draw the line: making sure everything is ok and maybe good or great is more important that getting some result that might be exceptional at the cost of many bad outputs). This system is now able to create a collection of unique assets by its use of a generative process, furthermore in a fully automated process.
This brings the concept of mass production of unique items to the front of the scene. When the production of custom artefacts becomes affordable, the bottleneck is not on the production side, but on the creative side of the process. Producing one thousand unique items requires one thousand unique designs, patterns, ideas. Generative processes can provide those one thousand unique ideas. A collection of pieces that share a common aesthetic, style yet each individual result is different and unique.
Generative Creative Direction
This begs immediately the question of where the creative direction is when creating such generative systems and what it all means in the first place. I would argue that creative direction is even more important than before as it needs to work at the meta-level. This is not a matter of preference between two different outputs, but over a whole subspace of possible outputs. Comparing an infinity of possible results that could happen in a specific branch of the algorithm with another subbranch. Thinking about the ramifications of one change over the course of the whole process.
The task is different yes, and like all creative problems, there is no clear yes/no answer. It comes down to taste and how this is expressed in the design process of the generative system. Another layer of creative expression but fundamentally the goal is the same: making sure the choices matter in the end.
Massive customization
Let's look at some very specific examples where unique content is already offered and where a generative approach could take it to another level: jewelry and more specifically wedding rings. The process is already streamlined to offer to couples that are engaged unique rings. Choosing the stone, the material, the design (from a catalog of existing pieces), engraving... allows the customers to feel that their rings are unique and are a physical testimony of the nature of their relationship (if we believe the message put forward by those brands). The pieces are already made to order, so adding an extra layer of generative process to add some truly unique elements to the design of the rings should prove to be the low-hanging fruit of applying those ideas. Making customization part of the process, where design is not just a collection of choices, but a whole space of possible outcomes.
Individual expression
In the modern world where AI systems have been the target of a lot of complaints about what they use for training data and what is the actual value of their outputs, what does it mean to create if most of the labor of creating is taken care of by a complex system? We are back to focusing on one aspect of creation: having something to say and less on the "how". If generative AI systems are rehashing past techniques and ideas to explore the space in-between existing data, it becomes harder to extend the space in new directions. It becomes harder to find your own voice: this is the "how" of creating.
On the other side, it also means anyone without the skills needed to actually realize the creative idea (drawing, painting, sculpting) can now access a system to find what they might want to say, if they want to express themselves through this abstract creation process. Being able to execute an idea is the first step to become a creator, and the tool might not matter for everyone.
Generative systems help by training the evaluation part of the creative process, eventually leading to the development of personal taste, to make sure that the outputs chosen by anyone are meaningful decisions based on individual preference and are less dependent on influencers and trends.
Creativity as a commodity
When being creative is a skill that anyone can learn and explore, what will people make? Will people focus on their own taste, their own unique style? What will people use to express themselves?
We might end up in a situation where everything (from physical goods to virtual items) is created for a unique person in a way that allows for everyone to find themselves in those items. Where everything reflects the uniqueness of every being. But thanks to the power of generative systems, we also can share some common traits (at the meta-level, in the design of the algorithm). Similar, but unique.
It's the world I'm building. A world where the joy of creation is shared by many and where many are sharing their creations.