Accelerate Evolution, Explore Eternity, Harmonize both.
進化を加速させ、永遠を探求する。その両者を調和させる。
ソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチ ステートメント
(Chief Science Officer 暦本純一)
私たちは、先端技術と人間の可能性の交差点に位置する研究機関として、社会の進化を形作る立場にあります。
変化し続ける世界では、複雑な問題に対する解決策の必要性がかつてないほど高まっています。私たちの使命は、コンピュータサイエンスを核とした技術の大きな可能性を活かし、人類が直面するさまざまな課題を解決することです。私たちは、技術の急速な進歩から生じる期待と不安の二面性を理解した上で、人間性を定義する永続的な価値を探求し、人類をゆたかな未来へと導くことを約束します。
ソニーコンピュータサイエンス研究所は、「越境して行動する」という行動原理を掲げ、狭い学問的成果を超えて、より広く社会の発展に寄与してきました。私たちは、産業、教育、健康、創造性、文化など社会の多様な領域において、望ましい解決策を探り、実行することで、人類社会の未来に貢献することを目指します。たとえ現在において型破り、常識外れ、妄想、と見えることでも、未来において普遍的となると確信できるものを恐れずに実現します。
同時に、人間の持つ永遠の価値、文化や芸術の研究に積極的に取り組みます。目先の技術変動に左右されない、人間や社会の本質的かつ永続的な価値を尊重し、探求していきます。技術の発展が、人類のゆたかさを損なうことなく、むしろ高めることに貢献するためには、革新性と永遠性の高度な融合が重要であると信じているからです。
東京、パリ、京都、ローマの4都市にある研究拠点は、この、革新性と永遠性を融合させるという私たちの研究理念を象徴しています。これら「永遠の都」(Città Eterna)を拠点とすることは、多様な立場、創造性、見識、伝統、文化を尊重し、先端技術と融合させることが重要であるという私たちの信念の表明です。
私たちはさらに、物理的な制約を超えた革新的な方法を実践する研究拠点を設立します。私たちは、情報科学技術の最前線に立ち続け、研究手法や研究所運営そのものも研究や実践の対象として、科学とその先の限界を押し広げます。
ソニーコンピュータサイエンス研究所は、研究機関としての重要性と社会責任を十分に認識しながら、共にこの旅に邁進します。私たちは、人間の永遠の価値をさらに高め、人類社会の進化を促進するために、研究活動を進めてまいります。
東京リサーチ:ステートメント
(リサーチディレクター 古屋晋一)
目まぐるしい進歩を遂げるテクノロジーとサイエンスは、私たち人間ができることの境界を拡張し続けています。そのような現実と共生しながら、個人と社会が感動を享受し続けるためには、何が必要でしょうか?人類史に渡り普遍の感動体験の一つは、「生み出すこと」による能動的かつ根源的な喜びです。産業、文化、芸術、医療、エンタテイメント、スポーツ、学問、教育、ひいては日常生活の営みに至るまで、あらゆるクリエイションに伴う感動を個人と社会が享受できる未来の姿を妄想することが、研究活動の源泉となります。このような妄想を具現化するためには、感動の基底に資する求心力を持った研究が不可欠ですが、それだけでは十分とは言えません。
様々な土地から人が集まる性質を持った東京という地において、信念に裏付けられた明確なビジョンとその実現のための駆動力を備えた研究が核となり、多様な専門性やバックグラウンドを持った人々が互いにシナジー(相乗効果)を生み出しながら、未知の感動体験に溢れた未来を共創するうねりを生み出すことが、東京リサーチの使命です。こうしたうねりは、人類に宿るクリエイターの遺伝子と共鳴し、時間と空間を超えて紡がれていきます。
トランスバウンダリーリサーチ:ステートメント
(リサーチディレクター 舩橋真俊)
東京、パリと始まり、京都、ローマへと展開したソニーCSLは、より自由かつ本質的な研究活動の実現に向けて、自律分散型の組織へと多様性を増してきました。越境し行動し続ける中で拡張された活動領域は、今やグローバルな影響の投射まで視野に入れつつ、各地で研究と社会実装の両輪を駆動しています。コロナ禍に際しても、我々は分散型組織としての実験を推し進め、「人類とこの惑星の未来のための研究」を支える母船としての役割を突き詰めてきました。
このような本質的な役割をより広範かつ先鋭的な形で追求するには、もはや特定の地域や文化に即して根を張るのではなく、多様な価値観の対立を超えて一望する天からの視点に向かって飛び立つ時が来たと考えます。これまで人類が辿ってきた長く困難な旅程を継承しつつ、そこに全く新たな1ページを刻まんとする有為な志を支援する母船として、我々はTransboundary Research (トランスバウンダリーリサーチ)を離陸させます。それは嵐の中でも行く先を指し示す星々となる探究者の集まりであり、多くの神話の崩壊や文明の分岐点を超えて進む人類の新たな旅路の予兆ともなるでしょう。
未曾有の大変化に曝されている現代において、我々は安住の地ではなく移動によるセレンディピティを希求します。
あなたの研究が、生まれた場所や時代を超えて、どこまで雄弁に新たな真実を志向し続けることができるか。
辺境の地より語る知的なディアスポラや、未開のフィールドに飛び込むノマド研究者など、自ら世界と対峙し、想像の限界を超えゆく好奇心をもって未来を創り出さんとする意志によって、我々は未来と繋がってゆきます。
(2023年6月 スマトラのジャングルにて)
京都リサーチ:ステートメント
(リサーチディレクター 暦本純一)
情報技術により、人間の行為を自動化し効率化する技術がかつてないレベルで急速に進んでいます。我々が目前に迎えているのは、産業革命に匹敵する規模の社会的変革の波です。研究組織としてその進展をリードする基礎技術開発を行うと共に、単に効率化や自動化だけにとどまらない、人間が感じることのできる充足感、永続感、伝統の継承と発展、そして技術進歩と人類の幸福感の両立、を真剣に考えるべき時期が到来していると考えます。これを「ゆたかさ」と呼ぶことにします。ゆたかさとは、単なる物質的、金銭的な豊かさを超え、技術的進歩と人類の幸福感を結びつける力を持つ、時間を超越した原理です。これは我々の研究活動の永続的な原動力となります。
私たちの研究所が京都に設置された理由も、まさにこの「ゆたかさ」の原理を具現化するためです。京都は、ゆたかな文化や伝統工芸を継承している世界的な文化都市であると同時に、最先端の技術開発や新しい文化の発信拠点としてのダイナミズムを併せ持っています。私たちは京都の伝統と革新の融合から得るユニークな視点と、その地域が持つゆたかな文化的資源と響応し、新たな技術開発とその適用に取り組むことで、先端技術と伝統的な価値観が調和し、人間性と進歩が共存する未来を模索しています。これは、新しい技術が人類の幸福を高める手段として、そしてその過程で伝統や文化が失われることなく保護され、さらに発展する可能性を追求するという、我々の研究の核心的な部分です。この京都という地で、これらの要素が結びつき、「ゆたかさ」が具現化されることをめざします。
私たちの使命は、技術の進歩と人類の幸福が一致する「ゆたかさ」を見つけ出し、それを世界に広めることです。
パリリサーチ:ステートメント
(リサーチディレクター ピーター ハナッペ)
私たちはいま、環境問題や社会的課題に対処しなくてはならない極めて重要な時代を生きています。パリリサーチは、持続可能で平和で民主的な社会を実現するための研究開発に全力で取り組んでいます。
気候変動と生物多様性の喪失は、私たちが取り組まねばならない二つの重要な課題です。政府や企業は、循環型社会への転換を優先課題として掲げていますが、その明確なビジョンは見えてきません。私たちが目指しているのは、長期的な視点に立って社会の発展の可能性を見つめ、人と自然、そしてテクノロジーのあいだに新しい絆を育んでいくことです。
ソーシャル・ネットワークは、グローバルなニュースや情報を瞬時に拡散し、共有する手段として現れました。もちろんこの画期的なテクノロジーによる利点はありますが、一方で、説明責任を伴わない情報操作を可能にしてしまっています。私たちは、オンライン・ディスカッションのダイナミクスを研究し、ソーシャル・ネットワークが、安定した社会のための信頼できるツールとなるように、その弱点を克服する方法を模索し続けます。
AI、特に基盤モデルを用いたシステムは、我々の生活の大半を担う新しいOSとなるでしょう。私たちは、これらのシステムが創造性やコミュニケーションのためのツールとして人々を支援できるよう、新しく斬新なAIの活用方法を探索しています。また同時に、これらのシステムが事実データに基づいた、倫理的に認められる、信頼性の高いものであることを保証できるよう、研究を続けていきます。
斬新で刺激的な想像力をもって、人と地球のウェルビーイングを追求していくことが、パリリサーチの究極のテーマなのです。
ローマリサーチ:ステートメント
(リサーチディレクター ビットリオ ロレト)
「創造力とは、遊び心を持った知性である」 - アルベルト・アインシュタイン
私たちの環境と社会はいま、気候変動、グローバリゼーション、デジタル化によって大きな構造変革を求められています。COVID-19のパンデミックによって、私たちはライフスタイルの抜本的な見直しを早急に行わざるを得なくなりました。社会と都市の構造をはじめ、都市と地方との関係、生産と生態系への負荷限界、個人のウェルビーイングやインクルーシブな社会といった課題に真摯に向き合わなければならなくなったのです。惑星規模の重要課題の解決への道筋は未だ見えていませんが、急激な世界の変化に対応するためには、生態系とのバランスを保ちながら、人間の社会を安全かつ豊かに維持していくための新しい技術を創造し、新たな解決策を見出すことのできる人材がますます求められています。
私たちが数多くの複雑な課題に直面している中、社会を再設計する上で最も効果的なツールのひとつが創造性です。しかし、果たして創造性とは向上させられるものなのでしょうか?そんな疑問が当然のように湧いてきます。創造性を育むための条件を整え、探索領域の拡張をより効率的に形成し、ナビゲートすることができるとしたらどうでしょうか?ローマリサーチでは、人間性の向上、そして現代社会の課題に対する持続可能な解決策を探求するために、人と機械が安全に協力し合うという独自のアプローチを推進しています。これを端的に表しているのが「創造性の拡張(Augmented Creativity)」という言葉です。現代における最も複雑な課題に対処するための優れたツールとして創造性を掲げ、自然知能と人工知能の新たな相乗効果を集約させることは、ローマに研究拠点を開設した際の根底を成す主なアイデアであり、官民が連携したユニークなエコシステムが構築されたいま、科学、芸術、そして一般市民が参画する研究を推進し、イノベーションを促進し、「現状を修復」しながら、すべての人々に具体的な未来を実現していくという大望を抱いています。
Accelerate Evolution, Explore Eternity, Harmonize Both.
Sony Computer Science Laboratories Research Statement
(Chief Science Officer : Jun Rekimoto)
As a research institute at the intersection of cutting-edge technology and human potential, we are in a position to shape the evolution of society.
In an everchanging world, the need for solutions to complex problems is higher than it has ever been. Our mission is to make use of the vast potential of our technology, which has computer science at its core, to solve the numerous issues that face humanity. With an understanding of the duality of hopes and anxieties that arise from rapid technological advances, we pledge to pursue the eternal values that define human nature and lead humanity to a prosperous future.
Sony Computer Science Laboratories has adopted the action principle “Act Beyond Borders,” and has transcended narrow academic findings to make wider contributions to social development. We aim to contribute to humanity and society by investigating and implementing desirable solutions in a wide range of social sectors, including industry, education, health, creativity, and culture. Without fear, we will realize ideas that we firmly believe will be universal in the future, even if at present they may seem unconventional, eccentric, or even delusional.
At the same time, we are actively engaged in researching eternal human values, culture, and the arts. We will respect essential and eternal human and social values in our investigations without being swayed by technological changes in the near-term. This is because we believe that a sophisticated fusion of innovation and permanence is crucial to achieving technological development that contributes rather than impairs the fulfillment of human values.
Our four research locations in the cities of Tokyo, Paris, Kyoto, and Rome all symbolize our research philosophy of combining innovation and permanence. Our choosing these four "Città Eterne" expresses our conviction that it is important to respect diverse points of view, creativity, judgments, traditions, and cultures, and combine them with leading-edge technologies.
We will also establish a research organization that put into practice innovative systems that transcend physical limitations. We will continue to stand at the forefront of information and science technology, and make even research methods and laboratory management themselves subjects for research and practice, to push the limits of science and beyond.
Sony Computer Science Laboratories is committed to striving ahead in this journey while fully aware of our significance and social responsibility as a research institute. We will engage in our research activities in order to further cultivate eternal human values and promote the evolution of human society.
Tokyo Research : Statement
(Research Director : Shinichi Furuya)
Startling advances in technology and science continue to expand the boundaries of our abilities. A key question is what enables for individuals and society to sustainably enjoy the moving experience while living in harmony with these advances. One of the universal moving experiences throughout a course of human history is the active and fundamental joy of "creation". The source of our research activities is the obsession with a future in which individuals and society can enjoy the excitement that accompanies various forms of creation, including industry, culture, art, medicine, entertainment, sports, study, education, and even the activities of daily life. To realize such wildest imagination, it is essential to drive research with a cohesive force that deserves the basis of moving people, but this alone may not be sufficient.
Research with a clear vision backed by conviction and strong driving force to realize it will form the core of making synergy among people with diverse expertise and backgrounds to co-create a future full of unknown and inspiring experiences. We realize it here in Tokyo, a place that has been long attracted people from various parts of the world. The mission of Tokyo Research is therefore to produce the "butterfly effect" through making the synergy and co-creating a future full of unexperienced moving experiences. Such a wave will propagate beyond time and space through resonating with the genes of creators that reside in all human-being.
Transboundary Research : Statement
(Research Director : Masatoshi Funabashi)
Sony CSL, which began in Tokyo and Paris and expanded to Kyoto and Rome, has become a decentralized organization of diverse members with more freedom to develop essential research activities. As we continued to act beyond borders, the scope of our activities has expanded, and we are now driving both research and social implementation in various locations, with a view to projecting our impact on a global scale. In the wake of COVID-19, we have pushed forward with our experiments as a decentralized organization and pursued our role as a mothership that supports Research for the Future of Humanity and Our Planet.
In order to advance this essential mission in a broader and more radical way, we believe that the time has come for us to no longer be rooted in a particular region or culture, but to fly toward a celestial perspective that looks beyond the conflicts of terrestrial values. We launch Transboundary Research as a mothership to support those who are willing to carve a completely new page in the long and difficult itinerary that humanity has inherited so far. It is a constellation of starseekers pointing the way in the midst of a storm, which augurs a new journey that will take us beyond the collapse of many myths and the tipping points of civilization.
In a time of great change, we aspire to serendipities by driving ourselves as an exodus from the safe havens of the past.
To what extent will your research continue to bravely orient us to new truths beyond the places and times in which you were born?
As intellectual diasporas who dare to speak from marginal areas, and nomadic researchers who venture into uncharted fields, we will face the world with our inner calling, and connect to the future with a curiosity that exceeds the limits of our imagination.
(June 2023, in the jungles of Sumatra)
Kyoto Research : Statement
(Research Director : Jun Rekimoto)
Information technology is rapidly advancing at an unprecedented level to automate and streamline human actions. What we are witnessing is a wave of social change on a scale comparable to the Industrial Revolution. As a research organization, we believe that the time has come for us to develop the basic technologies that will lead this progress, while at the same time seriously consider the compatibility of technological progress and human happiness. It is not just about efficiency and automation, but also of senses of fulfillment and permanence that people can feel, and the inheritance and development of traditions. We call this ""Yutakasa (abundance)".". Yutakasa is a timeless principle that transcends mere material and monetary wealth and has the power to link technological progress with the well-being of humankind. It is the enduring driving force behind our research activities.
It is precisely to embody this principle of abundance that our institute was established in Kyoto. Kyoto is not only a world-class cultural city with a rich cultural heritage and traditional crafts, but also a dynamic center for the development of cutting-edge technology and the transmission of new culture. We seek a future where advanced technology and traditional values are in harmony, where humanity and progress coexist, by developing and applying new technologies in harmony with the unique perspective gained from the fusion of tradition and innovation in Kyoto and the rich cultural resources of the region. This is a core part of our research, as we pursue the possibility of new technologies as a means to enhance the well-being of humanity, and in the process, protect and further develop traditions and culture without losing them. Here in Kyoto, Japan, we aim to bring these elements together and realize "Yutaka-ness".
Our mission is to find "Yutaka-ness", where technological progress and human happiness coincide, and to spread it throughout the world.
Paris Research : Statement
(Research Director : Peter Hanappe)
We are living in a pivotal time in which we face environmental and societal challenges. Paris Research is committed to working on technologies that assure we pivot towards sustainable, peaceful, and democratic societies.
Climate change and the loss of biodiversity are two of the challenges we face. While the ecological transition is high on the agenda of governments and companies, there lacks a vision of what we are transitioning to. Our aim is to adopt a long-term perspective on the potential evolution of our society and foster a renewed bond between Humanity, Nature, and Technology.
Social networks have emerged as the main arteries for instantaneous global news and information sharing. While this remarkable technology has its merits, it also enables information manipulation without accountability. We will continue to study the dynamics of online discussions and seek to understand how to counter-balance the weaknesses of social networks so that they can become reliable tools for stable, democratic societies.
AI systems and especially foundation models are the new operating systems that will run most of our applications. We will harness them in novel ways to assist people, serving as tools for creativity or communication, while assuring these systems are trustworthy, grounded in factual data, and based on morally acceptable value systems.
More generally, at Paris Research we will seek new and stimulating imaginaries that center on the well-being of Humanity and of the Planet.
Rome Research : Statement
(Research Director : Vittorio Loreto)
"Creativity is nothing but an intelligence that has fun."
Albert Einstein
Our environments and societies are undergoing significant structural transformations, mainly through climate change, globalisation, and digitalisation. The COVID-19 pandemic made clear the urgent need for a radical rethink of our lifestyles: from the organisation of our societies and cities to the relationship between urban and rural areas, from our production systems to the breaching of ecological ceilings, from the personal well-being to more inclusive societies. Although the path to planetary security is not yet visible, the transformations of our rapidly changing world call for increasing the number of people able to conceive new technologies and find new solutions that will sustain large human societies safely and prosperously in equilibrium with the surrounding ecosystems.
Facing the complexity of the challenges ahead, creativity stands as one of the most effective tools we can rely on to redesign our societies; the most natural question is whether it is possible to improve human creativity. Is it possible to create conditions for a person to be more creative, helping her to shape and navigate the space of possibilities more efficiently?
At Rome Research, we push forward an original approach in which humans and machines safely cooperate for the betterment of humankind and the quest for sustainable solutions to the current societal challenges. The term “Augmented Creativity” boosts the vision of creativity as an excellent and unique tool to address the most complex challenges of our times and summarises a renewed synergy between natural and artificial intelligence. This is the leading idea underlying the foundation of Rome Research in its ambition to combine, in a unique ecosystem of public and private institutions, the sciences, the arts and public engagement to push research, drive innovation and act to “repair the present” while making a concrete future possible for everyone.