ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)では、研究テーマをあらかじめ会社から指定するのではなく、研究員自身が自由にテーマを選び、独自の視点で探求を進めています。同時に、それらを俯瞰してみると、現在、大きく6つの「リサーチエリア」で研究活動が展開されていると言えます。これらのエリアは固定された枠組みではなく、時代の変化や研究員の関心の移り変わりとともに進化し、遷移していくものと捉えています。

ここでは、ソニーCSLが持つ多様なリサーチエリアと、それらに紐づく活動についてご紹介します。

人文・社会・自然科学および芸術領域における根本的な研究活動を行う領域。新しい発見や技術への応用可能性を広げるだけでなく、新たな研究領域を切り拓くことを目指します。

気候変動や生物多様性の危機といった惑星規模の課題に取り組む研究領域です。有限な環境容量の中で、持続可能な社会と生態系の構築を目指すとともに、理論に留まらず、社会や地域での実現を視野に入れた具体的な行動を通じて、地球規模の課題解決に貢献することに取り組んでいます。

アート、音楽、ビジュアルデザインなど、創造性をテーマとする多様な分野を対象とする研究分野です。人間の想像力を拡張し、新たな表現手法や体験の創出を可能にする技術や方法論を構築することで、未来の文化形成とその持続可能性に貢献することを目指します。

感覚の拡張やロボティクスを通じて、人間の能力を拡張することにチャレンジする研究領域です。視覚や触覚の新しい体験を提供したり、身体機能を補完・拡張する技術などで、人間の可能性を広げるだけでなく、人間の再定義をも視野に探究します。

AIやデータ解析を基盤とし、現実世界のシステムやプロセスをインテリジェント化することを目指す研究領域です。サイバネティクスの視点から、効率的かつ意味のある情報抽出を追求し、その成果を社会や産業への実践的な応用につなげます。

テクノロジーを活用して社会の仕組みを強化し、持続可能で調和の取れた共同体を構築することを目指す研究領域です。都市設計、情報共有、意思決定プロセスの効率化など、多岐にわたる課題に取り組みます。新しい形の協働や持続可能な社会モデルを提案します。