「Tomonami」はアレクシー・アンドレ研究員が行っているCreativity Acceleration(創造性の加速)の研究からうまれたシステムです。

人々が創造性を高める方法を模索する中で、アレクシー・アンドレ研究員は創造性は二つの要素で説明できるのではないかという仮説を立てました。一つは新しいアイディアを考えつく力であり、もう一つはそれらを評価できる力です。Tomonamiはこれら能力の醸成をテクノロジーにより加速させることができるのではないかという着眼から開発されました。


創造性を構成する2つの要素

「Tomonami」の開発は、アレクシー・アンドレ研究員が自身もアーティストである経験を活かしながら、アーティストとの対話を通じて創造性を理解するところから始まります。対象とするアーティストがこれまでに制作した作品から表現の特長を独自に抽出し、そのアーティストにとって意味のあるイメージを生成するためのオリジナルのルールをパラメータという形で独自開発のソフトウェアによるユーザーインターフェースに反映し、アーティストに創造性の探索空間を提供します。


創造性を理解し、パラメータに落とし込む

アーティストはこの空間をパラメータを操作することで探索します。パラメータを操作する過程でその意味を理解し、制御することで自律的にイメージ、すなわちアイディアを生成します。短時間にアイディアを創出できるようになり(自律的に選択肢を作り)、それらが自身にとって良いものか否かを評価、判断します。この創作過程を試行錯誤するというサイクルを高速化させるプロセスこそが「Tomonami」のコアであり、アーティスト自身が想像しえなかった新たな創作につながります。


アーティストは創造性の空間を探索し、新しいアイディアに出会う

Tomonamiを通じて、アーティストが新たな作品製作の基となる新たな創造性を獲得することを目指しています。

𠮷田氏との取り組み事例

現在、陶芸作家の𠮷田幸央氏は、𠮷田氏専用にアレクシー・アンドレが開発したTomonami for Yoshita Yukioを用いて作品製作に取り組まれています。


𠮷田幸央氏略歴

Tomonami for Yoshita Yukio の操作画面

Tomonamiには市販の設計ツールにあるような細やかな調整自由度は存在しません。これは、Tomonamiはあくまでも創造プロセスを支えるためのものであり、設計のためのツールではないという考えによるものです。よって生成されるイメージは製作プロセス上の制約を考慮したものではありません。
これは、実際の𠮷田氏の制作過程や、以下のコメントにも表れています。
「Tomonamiに示されるイメージが、必ずしもそのまま作品に落とし込むことができるとは限らないことはわかっていた。Tomonamiに背中を押されつつも、これまでの経験に基づく解釈を織り交ぜることで実は頭の中では、生成されたイメージと異なるイメージを見ていた」。


Tomonamiで生成されたイメージと実際の𠮷田氏の作品

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