ホームポジションから指を離さずにタッチパッド操作する入力技術

ThumbSense_ページ用タッチパッドは、ノートパソコンなど携帯用機器のポインティングデバイスとして広く普及・利用されています。しかし、「キーボードのホームポジションから手を離さないと操作できない」という問題がありました。

ThumbSense はこの欠点を克服することを目標とした新しい入力技術とそれを実現するためのソフトウェアで、2002年に提案・公開されました。


キーボードのキーがマウスボタンを兼用

ThumbSenseの基本的なアイデアはシンプルで、キーボード上のキーをマウスボタンとして兼用します。

たとえばFやJキーなどホームポジションの人差し指のキーをマウスボタンの左(第1)ボタンに、DやKなど中指のキーをマウスの右ボタンに割り当てることで、キーボードのホームポジションに指を置いたまま、タッチパッドを操作することができます。

通常のテキスト入力を行う場合も、特別なモード切り替えのコマンドは必要ありません。Fキーを打鍵することでfを入力することができます。


ThumbSenseの仕組み

ThumbSenseは、指がタッチパッドに触れている、という状態を認識することで、文字打鍵モードなのかタッチパッド操作モードなのかを自動的に判別しています。

つまり、タッチパッドに指が触れている間は、Fキーはマウスボタンとして機能し、指が離れると通常のキーボードキーとして機能するようになります(実際はもう少し細かい状態遷移を行なっていますが、ユーザーには意識されないように工夫しています)。

これはタッチパッドをShift、 Ctrl、 Altキーと並ぶ新たなモディファイア(修飾)キーとして使う手法とも考えることができ、さまざまなショートカットをキーに割り当てることも可能です。

また、タッチパッド上の指の動きと組み合わせることで、候補選択、ズーミング制御などの様々な機能を実現することが可能です。

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