JackInは、人間が他の人間や環境に没入し、その状況や体験を共有したり共同作業を行ったりする際のインタラクションの枠組みである。このようなインタラクションは、現場の作業を遠隔地の専門家が支援したり、現地での体験を他の利用者に伝送する、遠隔から作業者を誘導する、などの応用に適用できる。JackInという言葉はWilliam Gibsonの小説“Neuromancer”で,電脳空間(cyberspace)に没入する行為の表現として用いられていた *1.この考えを発展させて、人間が他の存在に没入する状況をJackInと呼ぶことにしている。

jackin01
[1]William Gibson, Neuromancer, Ace Science Fiction, 1984. 
JackInのインタラクションの枠組みに登場する存在をBodyとGhostとして整理する事が出来る。ここで、Bodyは身体を持ち、現場にいて状況を提供する側の存在であり, Ghostはネットワーク経由でBody状況を受けとり,かつBodyに対してインタラクションを働きかける存在である。

たとえば災害地現場でBodyが現場を歩き回り,その感覚や状況を(専門家である)Ghostがネットワーク経由で受け取り,指示を与える.他の例としては、Bodyのスポール体験を他者へ伝送し、Ghostがトップアスリートの視点でスポーツを体験する事が出来る。

jackin02

JackInはテレプレゼンスの一種とも考えることができる.通常のテレプレゼンスはロボットのような機械に”JackIn”して機械の視点から世界を眺めることができるインタフェースであるが,JackInの対象としては,人間が他の人間にJackInする可能性もある.機械へのテレプレゼンスの場合,人間がマスターで機械がスレーブとなり,スレーブである機械は人間の動きを忠実に再現することを前提としている.一方,人間が人間にJackInする場合,BodyはGhostに従って動くとは限らないので,両者の独立性を許すインタフェースをどう設計するかが従来型のテレプレゼンスとは異なる研究課題となる.JackIn research project では、JackInがもたらす様々な可能性を、身体や環境との関係:JackIn Form Factorや、人間の相互接続の関係:JackIn Formationなどの側面から研究をしています。

>> 関連プロジェクト1 : JackIn Eye
>> 関連プロジェクト2 : JackIn Head

Members

Related News

同じリサーチエリアの別プロジェクト

Human Augmentation

Augmented Societies