Chief Science Officer / Fellow
CyberCode
発展を続けるAR技術。
その始まりは90年代ソニーコンピュータサイエンス研究所
(ソニーCSL)の研究でした。
カメラを通して映し出された現実の風景と、文字やCGなどを合成し、シームレスに融合するAR(Augmented Reality=拡張現実感)技術は、スマートフォンの道案内アプリやテレビのスポーツ中継などですでに身近なものになっています。 ソニーCSLは90年代前半から、ARの研究に取り組んできましたが、その最初の成果といえるのが、このCyberCodeです。 CyberCodeは1996年、ソニーCSL CSO/京都リサーチ リサーチディレクターの暦本純一により開発された技術で、ウェブカメラのような安価なセンサーを用いて、印刷された二次元コードの ID を認識し、その3次元的な位置や向きを検知するシステムです。
CyberCodeの仕組み
カメラで取り込まれた画像は0と1に二値化され、その中からコードの候補となる領域を探します。候補となる2次元コードの白黒のセルのパターンが適切な ID であるならば正しいサイバーコードとみなされます。 コードが認識されると同時に、コードの画面上での撮影形状から撮影したカメラの側の3次元的な位置を推定します。その推定位置を元に などの情報を実画像にオーバーレイします。 この原理により、3次元位置センサーなどの高価な機器を用いることなく、カメラとビジュアルマーカーだけで、容易かつ正確に実写と CG 映像の合成を行うことができます。
CyberCodeの応用例
サイバーコードは研究開発後、いくつかのソニー製品などに採用されています。1998年にはカメラ付きのノートパソコン、VAIO C1 にサイバーコードアプリケーションが搭載されました。 2006年からは銀座のソニービルにサイバーコードを利用したキオスク端末が設置されています。 そして 2007年にはトレーディングカードと融合したプレイステーション3用ゲーム、”THE EYE OFJUDGMENT” が誕生。ゲームとAR技術が融合した新しい楽しさを提供しました。