大規模データ解析ツール

CALCとは?

機械学習によるパターン認識の精度は近年大きく進展し、識別、分類、予測といった応用において産業界でも広く用いられるようになっています。こうした側面では深層学習(ディープラーニング)に代表されるようなブラックボックス型(システムが何故その結果を出すに至ったのかの説明などが困難とされるもの)の手法が、一般にはより良い結果をもたらすことが知られています。

一方で、データを使ってその背後にある世界を理解したいという要求があり、ブラックボックス型とは一線を画す手法が必要になると考えられます。こうした要求に対して、伝統的な相関や類似性だけでは理解が難しい現象は多々あり、このプロジェクトでは因果モデルを推定するというアプローチをとっています。

[一般的な相関分析とCALCの違い]

 

 

ソニーCSLの研究員である磯崎隆司は、そのための高精度推測アルゴリズムや潜在変数が含まれる因果モデルへのその拡張、あるいは自身が提唱している熱力学的統計手法の応用などの独自手法を開発しています。

この技術群は、CALCと名付けられ、ソニーグループ内の実データで展開し、分析に関する様々な課題を解決すると同時に、多くのフィードバックを得てさらに技術とノウハウを磨いています。その適用範囲は、ソニーグループのエレクトロニクス、金融、エンタテインメントなどの事業領域での設計、製造、マーケティング、サービスなどの多種多様なデータ分析に及びます。

2017年からは、こうした実績を踏まえて株式会社電通総研クウジット株式会社とソニーCSLの三社でCALCのライセンス販売、分析受託などのサービスを開始しています。 現在では、ソニーCSLの山本眞大研究員を始め、ソニーグループならびにISID、クウジットからもメンバーが加わり、CALCの研究や技術開発、システム開発をさらに推進しています。くわしくはこちらもご参照ください。

<相関分析でわかる関係の例(左) 最新のCALCでわかる関係の例(右)>

 

*CALCはソニー株式会社の商標または登録商標です。

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