工機ホールディングス株式会社から、ELFEが活用されたインパクトドライバ(WH36DD)が2024年2年21月に発売されました。 ELFEは、音響特徴量解析システム を研究開発していた元ソニー CSL – パリの研究員とソニーグループ株式会社の共同研究に基づき、ソニーグループ株式会社が開発した、機械学習のためのシステムであり認識手段を自動的に作りだす技術です。
コードレスインパクトドライバ WH36DD
今回発売された製品では、ソニーCSLの研究成果を社会実装するエンジニアのチーム*が工機HD社と共同でドライバビットの制御モード(細ビスモード)を新たに開発しました。ELFEを用いることでカムアウト(ビットとビスの勘合外れ)の低減を実現しています。
従来モードによるカムアウト(左) 細ビスモードによるカムアウト低減(右)
ELFEは認識手段をパソコンの中で開発し運用することを想定して生み出された技術ですが、今回の取り組みでは、その認識手段をインパクトドライバに組み込んでいます。ELFEは精度よく認識するために複数の特徴量抽出処理を自動で生成しますが、計算負荷が高いことから、そのままでは組み込むことはできません。徴量抽出処理は基本関数の組み合わせで構成されていることから、寄与する処理の内容を解釈し、プログラムコードへ置き換えることでインパクトドライバへの組み込みが可能となりました。
Evolutional Learning チームでは、 TPDGの手島がソニーCSL-パリの音楽の研究から生まれた技術の社会実装に取り組んでいます。
*Focal Point (FP)は、ソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)が研究活動を推進する枠組みの一つで、研究テーマに合わせて集まったメンバーからなる「チーム」です。それぞれのFPには独自のマークと6桁の文字列が振られます。積層されるFPマークはソニーCSLのロゴのエレメントからデザインされています。
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