Transboundary Research
OTOTAKEプロジェクト
成果発表会
OTOTAKE PROJECTは『五体不満足』の著者でもある乙武洋匡氏とともに、ソニーCSLリサーチャーの遠藤謙がロボティクスで人間の身体の進化を目指すプロジェクトです。本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST CREST JPMJCR1781、JPMJCR19F2)の支援を受けて2018年にスタートしました。OTOTAKE PROJECTには遠藤リサーチャーに加え、ロボット義足を設計するエンジニアやデザイナー、乙武氏への義足の装着を担当する義肢装具士や歩行法の支援をする理学療法士がチームに加わり推進してきました。
約3年間にわたる研究の成果を、9月28日に日本科学未来館にて発表いたしました。
当日の模様をご報告します。
成果発表会 イベントレポート
遠藤研究員によるプロジェクト概要と成果の紹介
イベント会場は日本科学未来館です。コロナ下ということもあり、オンライン配信となった本イベント。まずは未来館ホールにて、遠藤研究員よりロボット義足の説明と3年間の活動のビデオをご覧いただきました。
遠藤研究員が開発を行っているロボット義足はアクティブ(能動的に稼働を行う形)でありながら、軽くなっています。膝の動きのパラメータを設定することで、リハビリテーションのプロセスの中で求められる機能を実現する、その時その人に合わせた「n=1のものづくり」の研究を乙武氏と進めてきました。
乙武洋匡氏によるロボット義足歩行デモンストレーション
続いて3Fの展示スペースに移動して、乙武洋匡氏による歩行デモンストレーションを実施。展示物であるジオコスモに向かって歩みを進めた乙武氏は、予定していた50mを大きく超えた66.2mの歩行に成功しました。
パネルディスカッション
その後、再び未来館ホールに戻ってシンポジウムを行いました。第一部はプロジェクトメンバーで理学療法士の内田直生氏、義肢装具士の沖野敦郎氏を迎え、今回、乙武氏を事例として得られた知見をどのように一般化し、社会実装していくのか、3年間を経て得られたものを今後どのように活用していきたいか、それぞれのご専門からみた本プロジェクトの歩みを語っていただきました。
つづく第二部ではxDiversityプロジェクトメンバーの本多達也氏、菅野裕介氏、落合陽一氏が登壇しました。
本研究はJST CRESTの採択課題である「計算機によって多様性を実現する社会に向けた超AI基盤に基づく空間視聴触覚技術の社会実装」(研究代表者:落合陽一、主たる共同研究者:菅野裕介 本多達也 遠藤謙)としてのxDiversityプロジェクトの一環としても活動しています。xDiversityは人や環境の「ちがい」をAIとクロスさせ、多くの人々によりそった問題解決の仕組み作りを目指しております。
話題はプロジェクト発足時のエピソードや、今後の抱負、xDiversityが目指す世界についてお話いただきました。
終了後も多くの質問が寄せられ、多くの温かいご声援とともに無事に発表会は終了いたしました。
アーカイブ動画
当日の様子はこちらからご覧いただけます。
メディア掲載
50メートル超を義足歩行 作家の乙武さん「胸いっぱい」(時事通信)
ロボット義足が変える未来 乙武洋匡さん 66メートル歩行(FNNプライムオンライン)
乙武氏、ロボット義足で歩く。ソニー「OTOTAKE PROJECT」(Impress Watch)
発表会概要
日 時: 2021年9月28日(火) 18:00〜20:00(開場 17:30)
場 所:日本科学未来館 7階 未来館ホール(東京都江東区青海2-3-6)
プログラム:
第一部
18:00 遠藤研究員によるプロジェクト概要と成果の紹介/質疑応答
18:30 乙武洋匡氏によるロボット義足歩行デモンストレーション
第二部
19:00 パネルセッション/質疑応答
<登壇者>
ソニーコンピュータサイエンス研究所 遠藤謙リサーチャー
乙武洋匡
内田直生(理学療法士)
沖野敦郎(義肢装具士)
本多達也(富士通株式会社/xDiversity)
菅野裕介(東京大学 准教授/xDiversity)
落合陽一(筑波大学 准教授/xDiversity)
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