NY Symposium:「スタイル・クライオジー二クス:音楽資産の未来」 F・パシェ
シンポジウムの締め括りは、ソニーCSLパリ所長のフランソワ・パシェが音楽を中心に、スタイル・クライオージニクスについて講演を行いました。自身がパリメトロ公認の大道芸人でもあることから、このテーマについてはちょっとした権威であることを自負しているとの前ふりに続き、イタリア映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネにインタビューした時の話になりました。モリコーネはその独特な作風について、例えば、6thコードを使うことで果てしない音の広がりを表現できると語ったそうです。そして次にパシェが紹介したのは、スタイルとリアルタイムでのインタラクションを可能にするContinuatorというソフトウェア。ジャズピアノ奏者が短いインプロビゼーション(即興)を弾くと、Continuator がそれと同じスタイルで曲の続きを演奏します。パシェは、研究の結果、音楽の種類に関わらず、その「スタイル」の抽出ができることになったと言います。その例として、複雑なハーモニーで定評のある人気ジャズボーカル・グループ、テイク6のスタイルを、ブラジルの有名なソングライター、イヴァン・リンスの楽曲「アイランド」に当てはめた時のことを紹介しました。リンスの驚きと興奮を捉えたビデオからは、テイク6のハーモニーを適合させた結果に対するポジティブな評価だけでなく、資産としてのスタイル自身の価値も明らかになりました。最後にパシェは、音楽の色々なスタイルをマッシュアップする携帯ソフトウェアRadio FM2の紹介をして講演を終えました。こちらは近々ソニーCSLパリより一般公開される予定です。