G7広島サミットの開催に併せて、広島県広島市の広島県立総合体育館に設置される国際メディアセンター(IMC)及びひろしまゲートパークプラザにおいて、日本の魅力を国内外のメディア向けに発信する政府広報展示スペースが5月18日から22日に設けられました。ソニーコンピュータサイエンス研究所からはOXSチームが参加し、移動型エネルギーシステムなどの展示を行いました。
OXS(Open Xchange Systems オープンエクスチェンジシステム)は、再生可能エネルギーを活用する新たな場所での人々の活動や生活を探求しナビゲーションし、自立・分散型社会を実現する、地産地消型のエネルギーインフラ、食糧システムに関する研究・開発・社会実装の取り組みです。。今回の展示では、再生可能エネルギーを効果的に活用するライフスタイルの体験をテーマに、移動型エネルギーシステムやエネルギー共有の様子の模型などの展示を行いました。
移動型エネルギーシステム
この移動型エネルギーシステムは、再生可能エネルギーを活用するライフスタイルをイメージしていただくためのコンセプトモデルです。太陽光発電やマイクロ水力発電など地域で使いやすい発電源に接続し効率的に充電します。そして、調理器具や通信機器、照明器具など負荷の優先度に応じた電力配分の制御により、再生可能エネルギーを効率的に使用します。
今回展示を行ったこのリヤカーでは、太陽光発電200W 蓄電池500Whを積んでおり、 晴れの日なら満充電+αの発電が見込めます。これは、お湯を沸かして、小型冷蔵庫を稼働させ、通信を行うことができるぐらいの電力となります。
「まずは、エネルギーとは何かを改めて感じてもらいたかったのです。普段生活をしていると、電気はコンセントに刺せばいくらでも使え、それ以上を考える機会はあまりないのではないでしょうか。どうやって電気は作られ、どのように生活で消費していくのかをこの移動型エネルギーシステムで感じていただければと思い展示を行いました。来場者には、このサイズ感でこれぐらいのことができる、とイメージをつかんでいただけたと思います。」(OXSチーム 川本)
再生可能エネルギーを共有し活用する
この移動型エネルギーシステムを用いて、コミュニティの中でどのように再生可能エネルギーを活用していくかを示した模型も合わせて展示されました。拠点を行き来しながら発電、充電、給電を行い、日当たりのよい場所、水流が多い場所に移動しての発電・充電、需要が多いところに移動しての供給をナビゲーションする、通信機能を用いてシステム同士が連携した充電や供給をナビゲーションする、といった動きをデモしています。
「再生可能エネルギーは設置や運用の容易性により、電線が引かれていない場所でも手軽に電気を作りだすことができます。電線のないところでモビリティーを活用したヴァーチャル電力網を構築することで生まれる価値やライフスタイルがあると感じています。」(OXSチーム 地主)
OXSの展示は多くの視点を持つ他の出展者方と意見交換を行い、様々な方々がデモや説明を興味深く聞くなど、盛況のうちに終えました。このシステムを展示した 会場では日本の文化と技術の融合を展示するものが多く、今後どのように人々の行動をナビゲートし、コミュニティの文化に受け入れられる新しいライフスタイルを提示できるのか、OXSチームの今後の活動への示唆を得ることができました。OXSチームのメンバーは引き続き、プラネタリー・バウンダリーの変容に人間活動がポジティブな影響を与える社会構築を目指します。
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