先日開講した芸術教育と身体教育の両輪で音楽家を支える「ミュージック・エクセレンス・プロジェクト」。
その始動にあたり、音楽監督のディーナ・ヨッフェ氏と身体教育を担当するソニーCSL古屋のコメントをお伝えさせていただきます。
音楽監督 ディーナ・ヨッフェ氏のコメント
この度、ソニーコンピュータサイエンス研究所との教育プロジェクト「ミュージックエクセレンスプロジェクト」において、音楽監督を務めることになったことを、大変嬉しく思っています。本プロジェクトは、若い音楽家たちに「プロフェッショナルな芸術教育」と、「身体のコントロール方法や緊張を避ける身体教育」とを同時に教えるという、大きな可能性を秘めたプログラムとなっています。芸術教育分野の指導陣は、毎日生徒たちと接している実績ある先生方、アシスタント、音楽監督である私で構成されています。身体教育分野においても、芸術教育と最高レベルの連携を実現するため、ソニーコンピュータサイエンス研究所のサポートのもと、すばらしいメンバーが揃っています。この先、本プロジェクトから目覚ましい結果が出ることを期待するとともに、楽器提供というかたちで、若い音楽家たちのサポートをご快諾いただいた河合楽器製作所に感謝と敬意を表明し、ご挨拶に代えさせていただければと思います。活動を通してすばらしい未来の音楽家が誕生することを願っています。
オーガナイザー 古屋 晋一リサーチャーのコメント
ピアニストを育む教育機関やアカデミーは、洋の東西を問わずこれまで数多く存在し、アーティストの育成に大きく貢献してきました。一方、私自身がドイツやオーストリア、日本の音楽大学等で身体教育を行ってきた経験から、生涯に渡った健やかな演奏を行うためには、独自の身体運用の習慣が固定化してしまう前の早い段階で、適切な身体の使い方や練習法について学ぶことが肝要だと痛感していました。一方、そのような機会を提供する場はグローバルにみても存在していませんでした。当プログラムがスタートすることによって、日本の若手アーティストが健やかなキャリアを積み、さらなる音楽表現の高みを目指し、次世代のピアノ業界を牽引していくことを期待します。