情報空間(Infosphere)とは、ニュース、意見、そして公共的な議論が展開される形而上学的な領域であり、私たちの社会における「神経系」に相当します。情報の流れが脆弱であり、やりとりが建設的でない状態は、あらゆる民主的社会にとって存亡にかかわる脅威です。特に、世界的な課題が深刻化している今、このようなシステムがどのように機能しているのかを理解することは極めて重要です。

テクノロジーの進歩によって膨大なデジタルの痕跡が残されるようになり、情報空間の現象論をこれまでにない角度から探究できるようになりました。私は合意形成や分極化、ニュースの需給関係、誤情報や議論の操作などのテーマに取り組んでいます。一方で、テクノロジー自体も情報空間の在り方に影響を及ぼします。アルゴリズムやソーシャルメディアが情報空間に与える影響を研究しながら、新しい情報技術のエコシステムを構想し、それがいかに社会の「神経系」をより強靱なものにし、有意義な公共の議論を支える助けとなるかを模索しています。


Selected Publications
https://link.springer.com/article/10.1007/s41109-024-00643-1
https://www.nature.com/articles/d43978-023-00026-7
https://www.nature.com/articles/s41562-022-01353-3

Keywords

Infosphere
Polarisation
Disinformation
Complex Systems
Data Science