NY Symposium:「協生農法:人の手による生態系の能力拡張」 舩橋真俊
舩橋真俊の講演は、世界の食糧生産において、小規模農家と単一作物の大規模農家とではどちらの生産量が多いかという問いかけからスタートしました。その答は総生産量の70%を占める小規模農家であり、世界の人口の実に1/3の人々が、全世界の耕地の80%を占める小規模農家で働いているという説明に続けて、環境破壊および生態系の崩壊が深刻化する中、小規模農家も大規模農家と同じように土壌を痩せさせてしまっていると指摘しました。そして舩橋は、生態系を一つの共同体として考えることにより、生産高だけでなく生態の健全性をも拡張することができる協生農法を紹介しました。舩橋の研究では、ごく限られたスペースにおいても多種多様な作物を栽培し、系統的なデータ収集を行なっています。植物学では、数十万もの種がこれまでに確認されており、その内の7千種程度が食料や生活資材に用いる事が出来る有用種であるにもかかわらず、我々が口にする食物の75%はわずか12の植物と5種類の動物に由来するものです。協生農法では、生態系に関する大量のデータを探索的に活用することで、これまで見過ごされて来た食物資源を有効利用し、生態系の健康と活力を高めることができます。